親から子へ 〜社会の秩序と、人としての愛と常識〜


【神社】
 ちょっと堅苦しくなりますが、「しきたり」とか「伝統」ということについて思いを巡らせています。
 どのような社会にも当たり前に存在する「常識」や「秩序」は、「しきたり」とか「伝統」から来たものではないでしょうか。
 現代では、「家訓」や「しきたり」といった言葉は、日頃使うことがなく、現実感がなくなっており、やがて死語になってしまうのではないかと思えるほどです。
 しかし、元来、日本にはずっと守り継がれてきた、「家訓」なり「伝統」がたくさん存在することを、今一度思い起こし、大事に伝えていかなければならないと、つくづく思います。

【明治天皇着物】
 日本の誇るべき伝統の一つが天皇の継承です。
 天皇は、日本の象徴として日本のために存在し、神話の時代から天皇家125代続いています。これは、なんと世界最古の伝統なのだそうです。このうち最初の8代は神話であるため「欠史八代」として除外されますが、天武天皇40代以後、天皇制が確立、南北朝の分裂統合を経て、平成の天皇125代に続きます。
そして天皇は万世一系(男系)だけで皇位を継承してきました。
これもまた世界最古の王朝なのです。
天皇は英語でTennoもしくはEmperorと表記され、つまり皇帝であり、そして世界に皇帝の称号を持つ方は唯一天皇陛下だけです。
これは、まさに日本の誇りであり、日本人の心の奥底に持っているべき尊厳ではないかと思います。

【天皇参拝】
 世界最古の歴史を持つ天皇ですから、外交儀礼においても格段の待遇がなされます。外交儀礼上ということであって、世界で誰が一番偉いのかということではありませんが、ローマ法王と同格、イギリスの女王も含めた各国の王よりも上、アメリカ大統領よりも当然、上の待遇がなされます。
 天皇陛下がどこの国に行っても、国家元首が出迎えます。
これらは、日本の世界最古の王朝に、世界が敬意を払っているということです。
何度も言うようですが、誰が偉いのかということではなく、連綿と継続したもので、それに多くの人は価値があると感じ、敬意を払う。それが「伝統」だと思います。

【国宝】
 地球上には、人類の宝と称する建造物であるとか、無形文化財なり、“国宝”といわれる人が存在しています。私たちはこれらを、地球上から無くなってしまわないように代々受け継いで行こうとし、大事にしているはずです。
 ここ数年、皇室のことがマスコミに取り上げられ、芸能人のスキャンダルと同じレベルで記事になったりしています。言論の自由ということがあるかもしれませんが、私たちひとりひとりがもう一度、日本人として大事にすべきことは何か、守り伝えなければならないことは何か、を真剣に考えなければいけないと思います。

 昭和天皇(裕仁(ひろひと) 天皇)が皇太子(現在の明仁天皇)に、直接「天皇になるための心得」なり「帝王学」なりをお伝えになったということです。
 また、現在の天皇も、皇太子に同じ様にお伝えになりたいと思っていらっしゃる、またなさっているものと推察します。
このようにして、2000年以上、代々続いてきた天皇の伝統を、私達の宝として守っていくべきではないかと思います。

 今、日本は秩序が崩れ、“非常識な人”で溢れてきています。権利を主張するばかりで、人としての愛や感謝のない人が溢れています。

 私たちは人として生きていく上で、お金よりも何よりも大事なもの、守って行かなければならないものがあることを、親から子へそして子から孫へと伝えていかなければいけないと思います。
 飛躍しすぎるかもしれませんが、このことがしっかりなされていないがために、国際社会でも軽んじられる国へと落ちていっているのではないでしょうか。
 恥を知り、和を尊び、凛とした精神を持つ日本人としてのこころの伝統を失いたくありません。
 今、“貧しくとも、清く正しく美しく、尊い人”でありたいと、素直な心で念じなければならない時であると思います。


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